三和交通さんの心霊スポット巡業ツアーの中でも、「橋」に関しては少々特殊であります。
大抵の場所は案内人が一緒に歩きながら、心霊スポットの説明をしてくれます。
で
す
が
「橋」に関しては、タクシーを停めておく場所が「あっても」「なくても」、橋の手前で降ろされます。
そ
し
て
一人で歩いて渡って来てくださいと言われます(笑)
とはいえ、御覧の通り。
明るくて綺麗な橋なので、怖さは殆どありません。
こちらの橋は自殺の名所だそうでして。
渡っている途中で、橋の下を覗き込むと沢山の白い手が視えたり、女性の霊が視えたりするそうです。
そんなワケで──
藤白も、橋の手前で降ろされました。
案内人「では、私は橋を渡り切った場所でお待ちしております」
にっこり笑って去っていく案内人。
藤白。
早速、橋を渡ります。
街路灯も明るく、綺麗な橋です。
「いかにも」な雰囲気ではないので、気分は観光巡り。
鼻歌なんか歌いながら歩いちゃいます。
ところどころで橋の下を覗き見。
写真をパシャパシャ撮りながら歩いていると……
背後から
コツコツコツ……
革靴のような音が聞こえてくる。
藤白「あれ? わし。今日はスニーカーだよね?」
自分の足もとを確認する。
参加案内に歩きやすい靴でと書かれてあったので、スニーカーをちゃんと履いている。
気のせいかと思い、再び、橋から身を乗り出し、写真を撮る。
それから、また少し歩いては写真を撮り……を繰り返していると……
コツコツコツコツ……
やはり、革靴の音がする。
周囲を見渡すが誰も居ない。
時刻は22時を過ぎている。
こんな山奥にある橋だ。
車通りすらほとんどない。
藤白「なにかいる?」
首を傾げるが、怖さはない。
なんとなく不思議に思いながら橋を渡り切ると、タクシーが待っていた。
案内人「どうでした?」
藤白「なんか、革靴の音がしたけど、他は特に何もなかったです」
案内人「え? それ、じゅうぶんおかしいですからっ!」
驚く案内人をよそに、撮影した写真を確認すると──
どれもフラッシュをたかずに撮った写真なのですが……
一枚だけ、蜘蛛の巣とともに、青い変な光の玉(?)が動いた瞬間のような写真が撮れている。
(というか、手摺の色が全体的におかしいんですけどね)
それに、6枚目のもにには、手摺から黒い影のようなものが……
まあ、6枚目に関しては手摺と明かりとの兼ね合いで、ただ単に影が出来ただけとも言えますが……
たった一枚だけ、奇妙な色や光が入り込んでいる橋の写真。
これが一体なにを意味するのかは──
皆様の判断におまかせいたします。