廃病院をあとにした藤白と案内人。
その後は東日本に初めて作られた天皇陵である『武蔵陵墓地』や八王子最恐スポットとしても有名な八王子城址等へ向かったのですが……
心霊スポットの中でも人気スポットなだけに
夏だ!
納涼だ!
肝試しだ!!
というヤンチャな方々に遭遇。
まったくもって「怖くない」どころか深夜の観光スポット巡りになってしまいました。
案内人「……去年までツアーに組み込まれていた、電話ボックスに行ってみますか?」
肝試しの方々との遭遇率が高いことを申し訳なく思ったのか
別の場所にも連れて行ってくれることに……
こちらは、大きな霊園が二つ隣接しあっている場所にありました。
どこからどうみても普通の電話ボックス。
むしろ、最近、電話ボックスをあまり見ないせいか、ちょっとノスタルジックな雰囲気がしなくもない。
案内人「ここでは、いきなり電話ボックス内の電話が鳴ったりするそうでして……コール音が気になり、出てみると女の人の声が聞こえたり、この電話ボックスからタクシーが呼ばれ、来てみると誰もいなかったり……という話が多いんです」
そう説明されながら、タクシーを降りて電話ボックスへと向かう。
藤白「入ってもいいんですかね?」
案内人「はい」
扉をあけた瞬間、線香の強い香りが──
案内人「……え。待ってください。線香の香りしません?」
藤白「ですよね?」
扉を閉めて、周囲を確認する。
線香の香りは一切しない。
どこにも線香を焚いた形跡もない。
もう一度、扉を開け、中を確認するが……
電話ボックス内には強い線香の香りが充満している。
だが、煙はない。
線香を燃やした形跡もない。
もちろん、灰のあともない。
案内人「この電話ボックスあるあるですね」
藤白「あ、よくあることなんですね。でも、線香の香りって、悪いわけじゃないって聞きますし。よくあることなら問題ないですね」
案内人「か、軽っ!」
そんなこんなで。
いろいろ面白い体験をさせていただいた心霊スポット巡礼ツアー
三和交通さんの皆様が、綿密な下調べをして企画してくださっている素敵な夏のイベント。
かなりの倍率ではありますが、応募してみる価値ありです!!