ふろふき婆をしってるかい?
ふろふきっていうと、みんな、『ふろふき大根』が頭をよぎるだろう。
けれど、この‶ふろふき婆”は違う。
その名の通り
『風呂拭き婆』
読んで字のごとく
風呂に入っている時に、窓にべっとりとくっつく一つの影。
痴漢かと思い、悲鳴をあげる人。
変質者かと思い、通報する人。
強気な人は窓をあけて、お湯をぶっかける──
なーんていう人もいる。
だがしかし
そこにいるのは『白い着物』を着た老婆。
目が合った瞬間
「風呂を拭かせてくれないか?」
「風呂がだめなら、あんたでもいいよぉぉぉ」
そう言って、ニタリと笑う婆の歯はお歯黒で真っ黒。
それがあまりにも不気味で悲鳴をあげるのだが──
ここできちんと断らないと、婆は窓を開けた=歓迎してくれていると、自分のいいように解釈して
風呂場に侵入し、風呂を拭き始めるという。
(なんなら、家族全員の背中を流すまで居座る場合もあるのだとか←迷惑すぎる)
藤白はどうしたかって?
窓に人影があったら──
我が家の窓はすりガラスなので、人影があっても、中は見えません。
な
の
で
無視して、普通に風呂に入っちゃいます。
たとえ、窓ガラスがドンドンと叩かれたとしても……ね。